ヨーロッパのスパ都市
Great Spa Towns of Europe
ローマ浴場の思想は、時代とともに形を変えていく。 やがて温泉や鉱泉を中心とした都市が現れ、そこには湯治だけでなく社交、文化、政治、芸術が集まるようになった。 19世紀、ヨーロッパ各地に生まれたスパ都市は、 身体を整える都市文化の完成形ともいえる存在だった。
湯治は、社交の都市になった
人々は健康のために水を求めて集まった。 だがそこにはホテルが建ち、劇場が生まれ、庭園が整備され、カジノや音楽堂が開かれていく。 こうしてスパ都市は、療養地でありながら ヨーロッパ文化の舞台にもなっていった。
この章を構成する都市
Spa
ベルギー「スパ」という言葉の語源となった町。 ヨーロッパ湯治文化の象徴的な都市。
語源
温泉都市
Baden-Baden
ドイツヨーロッパ貴族の社交場として栄えたスパ都市。 カジノ文化でも知られる。
社交
カジノ
Budapest
ハンガリーローマ浴場とオスマン文化が重なり、 今も温泉都市として生き続ける。
温泉都市
継承
Vichy
フランスフランスを代表する療養都市。 飲泉文化と湯治が発展した場所。
療養都市
飲泉
Montecatini
イタリアトスカーナの湯治都市。 19世紀スパ文化の優雅な面影を残す。
テルメ
トスカーナ
San Pellegrino
イタリアアルプスの水とスパ文化が重なり、 ミネラルウォーター都市としても知られる。
水ブランド
温泉
スパ都市が残したもの
スパ都市は単なる療養地ではなかった。 そこでは、健康と社交、文化と自然、都市と休息が 一つの風景として結びついていた。 この発想はやがて 海辺の保養地や山岳療養へ広がり、 さらに現代のウェルネスへとつながっていく。
