クアオルト/Kurort

クアオルト(Kurort)は、「療養地」を意味するドイツ語です。ドイツ語の“クア/Kur”=治療、療養、保養のための滞在と“オルト/Ort”=場所、エリアという言葉が合わさってできた言葉です。
ドイツでは、立地環境や気候といった自然治癒的資源を利用し、目的にあった施設を、治療や療養、予防などの回復に向けた健康増進の場所として位置づけられています。
健康保養リゾート地として多くの観光客を集客する有機的な要素(宿泊、飲食、公園、療法センター、社交場、医療機関等)の集合体として機能しています。

保養公園、遊歩道のある森林、公園施設、ホテル・ペンション、専門病院など

クアミッテルハウス

診療所、プール、サウナ、マッサージ室、運動室など

クアハウス

社交・文化活動のための施設、劇場、カジノ、コンサートホール、図書館など

クアオルトの特徴と利点

慢性疾患を治療する。
日々の生活に疾患因子が多く、それらのリスクファクターから引き離す=非日常化。
リスクファクターから引き離す治療法を転地治療といい、生活を改善することで体の調節機能や自然治癒力を高める。
自然の産物(温泉・鉱泉・水・泥・こけ・気候)を用い、人間が自らの身体に備えている治癒力を刺激して治療する。
治療の対象としては、慢性関節リューマチ・神経痛・糖尿病・慢性皮膚病など幅広い。
通常3~4週間滞在し、その間に処方箋に基づいた治療を受ける。
治療を受ける施設(クアミッテルハウス)のほかにスポーツ施設・娯楽・宿泊・文化施設などがある。また、自然環境に恵まれたところに立地し、ウォーキング、トレッキング、自然浴にも適している。
目的は病気の予防(プレベンション)とリハビリテーション。プレベンションにより病人を減らすことができ、リハビリテーションにより社会復帰を早めることができる。
医学的処置の前後を補う。
社会的にも医療財政の圧迫化を救うものである。
身体の健康を増進するだけでなく精神のリラックス効果も高く、大都市から少し離れ、ホテルなどの施設が整っていて自然の豊かなところに増えてきている。

宰相ビスマルクはこんな言葉を残しました。

「健康であるかぎり、その労働者に労働の権利を与えよ。病気に対して手当てを施せ。年おえば扶養せよ。」